三線豆知識

三線豆知識

1.三線の名器、五開鐘(ごけーじょー)

沖縄には名器と呼ばれる五つの三線があり、これらを総称して五開鐘と呼ばれています。

開鐘(けーじょー)という名の由来は、昔、尚穆王代に真壁里之子作の三線をお茶屋に集めて弾き比べをしたところ大抵の物は夜を徹するうちに音が悪くなりましたが、五挺の三線だけは暁を告げる開鐘の音が聞こえるまで美しい音色を出していたところからつけられています。

現在、五開鐘の格付けは研究者によりまちまちですが、下記の三線に集約されます。

 

盛嶋開鐘(ムリシマ)     沖縄県立博物館所蔵

西平開鐘(ニシンダ)     野原俊一所有

湧川開鐘(ワクガー)     高宮城家所有

熱田開鐘(アッタ)      戦災で行方不明

翁長開鐘(ヲゥナガ)     野原年所有

城開鐘 (グシク)      戦災で行方不明

久田開鐘(クダ)       久志汀間の旧家所有

富盛開鐘(トゥムイ)     沖縄県立博物館所蔵

アマダンチャ         戦後行方不明

志多伯開鐘(シタハク)    沖縄県立博物館所蔵

   2.三線の型

三線の型はどれも同じように見えますが専門家には人間の顔と同じように見分けることができます。ちなみに五開鐘は、すべて真壁型であり、当サイトの三線も基本的には真壁型を採用しています。

鑑定家による三線の分類は次の通り。  

南風原型(フェーバル)

もっとも古い型とされている。  

知念大工型(チニンデーク)

 1710年三弦主取に任命された知念の作。

久場春殿型(クバシュンディン)

三線の中では最も大型である。横から見るとビロウの葉柄に似ていることからその名がついた。         

真壁型(マカビ)

三線で最も多く、美形とされている。                          

平仲知念(ヒラナカチニン) 

知念大工の系統ともいわれる。

与那城型(ユナー)

この型はさらに、小与那、江戸与那、鴨与那に分かれる。  

   3.三線の評価

いい三線とは、どういう三線のことかといいますと当然、音色と余韻がよく、型がよいものになります。例えよい棹を使ってもチーガ(胴)とのバランスが悪ければいい三線とはいえません。棹が黒木でなくてもバランスが良ければそれに勝る三線もたまに出てきます。ちなみに音はともかく最も美しい三線とされているのは現在沖縄県立博物館に所蔵されている志多伯開鐘といわれています。

   おおむねよい三線とは、

   1.よく鳴る三線であるかどうか。

   2.黒木を使い型がいいかどうか。

   3.由緒のある三線であるかどうか。

上記のいずれかひとつの条件を満たしていればよいとされます。

4.沖縄県内における三線の普及状況

●三線…三軒に一軒所有

県内の三軒に一軒が三線を所有、周辺離島・北部地域では二軒に一軒-。
県文化環境部がこのほど行った文化に関する県民意識調査で、三線の所有を問う質問項目で、33%が三線を持っていると回答。この数字から県では、おおむね県内全世帯の三分の一にあたる約15万世帯で三線を所有しているとみている。最近は三線を楽器に歌謡曲を歌う歌手グループも増えている影響から、若者にも三線が身近な楽器として親しまれ、児童館などの子ども三線教室も各地で開かれるようになっている。関係者は一世帯で複数所有していたり、15万世帯で三線を所有しているとみている。
関係者は一世帯で複数所有していたり、三線を弾かなくても家宝として代々祖先から受け継がれている人も考えられることから、1人で5、6丁持っている人もたくさんいる。30万丁近く県内にはあるのでは」と推測している。

◆講座も人気
調査は20歳以上の4,768人を対象に行われ、有効回収数1,598人で、528人(33%)が三線を持っていると答えた。
伝統楽器・三線の普及率が高い背景について、野村流音楽協会の喜友名朝宏会長は「三線を弾いたことがない人でも、代々受け継いできた家宝として家にあるという人も多いのでは」とみている。
また最近では、小・中学生を対象に、公民館などで三線教室を開く所も多く「親が子に買い与えて、学ばせるケースもある」と喜友名さん。
実際、那覇市の久茂地児童館では親から「子に三線を学ぱせたいが三線教室はないか」という問い合わせがきっかけで、三線講座を去年から開いている。

◆「BEGlN」など影響
一方、那覇市内で三線教室を開く、神谷さんは「八童山出身の音楽グループ『BEGIN』や、テレビ『ちゅらさん』の影響も大きい」と指摘。「かつては、年寄りが弾く楽器というイメージだったが、今は若手歌手の影響もあり、三線のイメージが変わってきている。若い人も学びやすくなり、今後もこの三線ブームは続くのでは」と分析する。
神谷さんいわく、最近は本土からも三線を買い求める人が増えており、三線教室でも本土出身者が多いという。「三線を作っている人たちと話をしても、推測だが30万丁は出回っているのでは。逆に三軒に一軒は、少なすぎではないか」とみる。
同調査の地域別では、北部では45.7%、周辺離島では、58.3%の割合で三線を所有しており、都心部より地域のつながりが強い地方では、2軒に1軒と、割合が高くなっている。
三線は今や祝いの席や古典音楽を学ぷ特定の人たちだけが親しむ楽器ではなく、子供から大人まで幅広い年齢層で受け入れられている身近な楽器として県民に定着しているようだ。

2003年10月6日沖縄タイムス夕刊より抜粋。