三線ではなく、入れ墨の話


下は三線を弾く琉球美人図
作者の銘がないですが、1800年後半から1900年初めころの図かと思います。

この図を初めて見た時、最初は当然三線に目が行きましたが、
弾いている指を見た時に「おやっ これは!」と思い、彼女の指先が気になりました。

そして、画像を拡大すると、「やはり 入れ墨だ」と確信しました。

中指と薬指に入れ墨が入っています。



下は、あるお年寄りの入れ墨
沖縄では、入れ墨を、ハジチ(針突)といいます。


このように沖縄の女性は、入れ墨の伝統があったのです。
というか、今でも受け継いでいる人たちがいたりします。

下は、県内の若い女性




女性の入れ墨は16世紀の文献にも記載されており、1899年に出された明治政府の禁止令までは普通に行われていたようです。

が、しかし、禁止令が出ても、

私の祖母は、1900年(明治33年)の生まれでしたが、指には入れ墨が施されていました。
今風の入れ墨でしたら、評価したかもしれませんが、私が見ても何の感情も出てきませんでした。
今となっては、写真くらい撮っておけばよかったと悔やんでおります。

三線を弾く琉球美人図パート2



こちらも中指と薬指に入れ墨が施されています。



ハジチを始める年齢は、10歳未満から20代後半くらいまで色々です。
多くは10代の結婚前か結婚してすぐに、という人が多いようです。
ハジチは、あの世で道しるべになるとか、魔除けになる、ハジチをしないと大変なことになるという畏怖の対象でもあったようです。

故事では、入れ墨をした手が遭難しかけた船を支えた話もあります。

17世紀には薩摩藩侵攻され、薩摩に連れて行かれたハジチを施した女性が薩摩藩主が突き返したことから
薩摩に連れて行かれないようにハジチを施したとも言われています。





そして、この入れ墨は、現代に受け継がれている一方、このように進化しているのです?!


平成の琉球美人図!!

安室奈美恵さん






左の肩には、母親の記録と息子の名前

右手首には、四葉のクローバーと自身の生年月日をバーコードで表示

おそらく、四葉のクローバーの花言葉が好きなのでしょう。

でも、このタトゥは、すでに消していますので実物はもう見れません。

今日、9月15日、沖縄で最後のライブがあります。

最高に盛りあがることでしょう。

最後に
ハジチとこじつけちゃてごめんなさい。